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館蔵品展 耕三寺と俳句

耕三寺と俳句チラシ_ページ_1

館蔵品展 耕三寺と俳句(金剛館2階展示室) 展示目録

  作者 俳句 形状など 備考 新収
初代住職
耕三寺耕三と
師松野自得
耕三寺得山 世の母はみな観世音花の春 軸装 俳画(川上拙以筆)  
鐘が鳴る撞けよ浄土の春が来る 軸装    
仏恩の尊さにふれ塔の春 軸装    
島に来れば我も島人春ぬくし 軸装    
光明にふれんと捧ぐ菊の白 短冊    
観世音うららにおはす得山と 短冊    
町の衆がつく除夜の鐘春がくる 短冊    
よき母と選はれ給ふバラ香ふ 短冊    
最善寺大王松は繁り澄む 短冊    
安心をもとめ倖せ菊薫る 短冊    
花の山国宝塔と師の古句と 短冊    
白菊の白光捧げ句牌の前 短冊    
ばら匂ふ孝養門の御佛に 短冊    
梅薫る島守り給へ彌陀如来 短冊    
初夏の朝新妻の化粧更たなる 色紙    
松野自得
耕三寺得山
千佛洞涼し地獄の火も消ゆる
地獄にも御佛おわす春うらら
軸装 俳画(松野自得筆)  
 
松野自得 盆の月おどってみたくなりにけり 軸装    
信ずれば寺も建つなり花吹雪 軸装    
極楽も地獄も法の花盛り 軸装    
御光は常夜を照す八重ざくら 短冊    
屠蘇酌めば鶴の齢を得しここち 短冊    
レモン湯ぞ垢を浮べることなかれ 短冊    
岩に立てば我も巨人ぞ秋の風 短冊    
落鮎に河原の石は日々冷ゆる 短冊  
冷房に来て消に消えつ町の汗 短冊  
八方をにらみて立てる鍾馗かな 短冊 俳画(松野自得筆)  
秋の川一里がほどは橋もなし 短冊 俳画(松野自得筆)  
秋の夜の心静かや正信偈 短冊 俳画(松野自得筆)  
舟人の下りてせわしやラムネの玉 短冊 俳画(松野自得筆)  
田植笠梅雨の晴れ日を照りかへし 短冊 俳画(松野自得筆)  
桑つみ女はなしがしたく手傳へり 短冊 俳画(松野自得筆)  
近代
俳人の句
高浜虚子  初富士や草庵を出て十歩なる 軸装 俳画(斎藤雨意筆)
草抜けばよるべなき蚊のさしにけり 短冊(軸装)    
正岡子規  風呂敷をほどけば柿のころげけり 軸装  
蛍籠行燈に遠くつるしけり 短冊(額装)    
夏目漱石 蓮の葉に麩はとどまりぬ鯉の色 短冊(額装)    
中村不折 かがまって土橋ぬけるやもどり舟 短冊(額装)  
大谷句仏 涼しさに念仏もうす夏百日 短冊(軸装)    
河東碧梧桐 島に住めば柑子沢山な正月日和 六曲屏風 展示期間
9/5~10/18
雪散る青ぞらの又た此頃の空
子を歩せて下枝々々のさくら咲く方へ行く
明くて桃の花に菜種さしそふる
鮎をききに一はしり小女の崖下りてゆく
汐のよい船脚をせとの鴎はかもめ連れ
河東碧梧桐 蜻蛉釣る竿捨てて行ぬよる波に 六曲屏風 展示期間
10/19~12/6
夜も鳴く蝉の灯明りの地に落るこゑ
今宵泊らん脚いたはりつ紅葉濡れゐつ
一軒家を過ぎ落葉する風のままにゆく
山を出て雪のなき一筋の汽車にて帰る
師走の柿奈良よりとどく笹しいて
種田山頭火 水音のたえすして茨の実 短冊(額装)  
近世
俳人の句
松尾芭蕉 くさりつる其風みこそ納豆汁 消息(軸装)    
あらたうと木の下闇も日の光 軸装    
涼しさを繒にうつしたり嵯峨の竹 軸装 俳画  
服部嵐雪 真夜半や振替りたる天川 短冊(軸装)    
竹のはを遊びあるけよ露の玉 短冊(軸装)    
宝井其角 なつかしき枝のさけめやうめの花 軸装 俳画  
廬崎や江戸をはなれぬいかのぼり 軸装 俳画  
向井去来 目を病し妹に真桑をかくしけり 軸装    
雪と花の中に出るや春の月 短冊(軸装) 俳画  
上島鬼貫 けふ丸き末もいく露菊童子 消息(軸装)    
加賀千代女 菊咲や揺やし行もよもあるき 軸装 俳画  
大高子葉 檜笠いさためさはや神あられ 軸装    
神崎竹平 苔清水しのぶにむすぶ古坊主 短冊(軸装)    
近代
小説家の句
幸田露伴 陽炎や鮒釣る馬鹿の鼻の先 短冊    
尾崎紅葉 新年海 波かけや魚の眼も玉の春 短冊    
徳田秋声 狼の声に豆腐の氷る夜哉 短冊    
泉鏡花 買初に雪の山家の絵本かな 短冊    
永井荷風 荷舟にもなびく幟や小鯛河岸 短冊  
内田百閒 春寒し朝開帳の善光寺 短冊  
芥川龍之介 藤の花軒端の苔の老いにけり 短冊  
川端康成 初空に鶴手羽舞ふ幻乃 短冊  

附)松野自得と耕三寺 松野自得句碑紹介パネル

           松野自得句集・俳句雑誌『さいかち』